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by hoenryu

8月12日 「寒蝉鳴」

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今日は、七十二候の38候目、「寒蝉鳴(かんせんなく、ひぐらしなく)」と言う日。
夏の終わりを予感させるように、蜩(ひぐらし)が静かに鳴く頃、または、法師蝉(ほうしぜみ)が盛んに鳴く頃と言う意味です。
「寒蝉」の別名は「秋告蝉(あきつげぜみ)」で、つまり、秋の訪れを告げる蝉と言う事ですが、
一般的に、寒蝉を蜩(ひぐらし)とする説に対して、法師蝉(つくつくぼうし)とする説の二説が有ります。
実際に、辞書には両方が併記されており、蝉は夏の季語であるのに対して、蜩も、法師蝉(つくつく法師)も、共に秋の季語になっています。
沢山の蝉が一斉に鳴き立てる声は「蝉時雨(せみしぐれ)」と呼ばれ、この時期の風物詩の一つです。
蜩も法師蝉も、二つの寒蝉は、一生懸命に泣いて、人には秋を告げながらも、自分達は秋を迎えることなく、夏の終わりに命を終えます。
生命の力強さと、そして儚さを感じずにはいられません

蝉の俳句
◎「閑(しずか)さや 岩にしみ入る 蝉の声」
松尾芭蕉が、元禄2年(1689年7月13日)に、山形の立石寺に参詣した際に詠んだ発句。
奥の細道に収録されている、芭蕉の代表作の一つとされています

芭蕉は、「やがて死ぬけしきは見えず蝉の声」と言う句も作っています

◎「秋蝉も鳴き蓑虫も泣くのみぞ」
高浜虚子が、終戦の年に作った句

◎「野分して 蝉の少なきあした哉」
正岡子規が季節の移ろいを詠んだ句

「閑さや 岩にしみ入る 蝉の声」の蝉は、何蝉かと言う文学論争が起こりました。
斎藤茂吉が、アブラ蝉と断定した事がきっかけになり、持ち上がったそうです。
茂吉は、蝉時雨のような郡蝉の鳴く中での静寂を、芭蕉が感じたのだと言う理由から、アブラ蝉と主張し、
それに対して、文芸評論家の小宮豊隆は、「岩にしみ入る」と感じる為には、声が細くて澄んでいるニイニイ蝉の方が適切と反論しました。
茂吉は、山寺に小学生達を動員して色々な蝉を捕まえ、発句の時期と蝉の鳴く期間を検証した結果、自分の誤りを認め、「ニイニイ蝉」との結論に至ったそうです。
茂吉の執念と、潔い訂正には、頭が下がります



また、今日は、「晴れの得異日」でもあります
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今日は、一年の中で、晴れの確率が一番高い日。
好天は嬉しい事ですが、それを通り越して、猛暑は有り難く無いことで、、、
蝉の鳴き声だけが、一層元気に感じます


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by hoenryu | 2020-08-12 09:00 | 煎茶道 | Comments(0)