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方円流・東京東支部のお茶会・お稽古情報/お稽古場は明治神宮外苑絵画館学園・自由が丘支部長宅・広尾・鎌倉/問合せはhoenryu.east.tokyo@gmail.com まで


by hoenryu

2月23日「天皇誕生日」・「霞始めてたなびく」・「富士山の日」

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天皇誕生日の今日は、七十二候の5候目、「霞始めてたなびく」という日。
4候目の「土潤起」の日(2月18日ブログ)にも触れましたが、霞がたなびき始める頃を表している候です。
霞や雲が層をなし、薄く長く漂っている様子はこの季節ならではの情景で、昨日の朝の天気予報でも、午後は「霞がかかりそう」と伝えていました

写真は「富士山」にかかる雲海と霞模様の衣で、裾の部分が桜色地に濃淡の暈し染めの色留袖です

古くは、山々の裾野にうっすらと広がる春霞のことを、春を司る女神の佐保姫様がまとう着物の裾に例えました。
また、着物の柄でよく目に致します「霞の衣」とは、霞がかかっている様子を見立てた言葉です。
五行説では、春は東の方角にあたり、平城京の東に佐保山(現在の奈良市法華寺町)があるため、そこに宿る神霊の佐保姫を春の女神と呼ぶようになりました。
白く柔らかな春霞の衣をまとう美しい女性と言われ、佐保姫は春の季語であり、佐保川は和菓子の銘にも好まれます

「佐保姫は裾のすがるや富士の山」正岡子規
「佐保姫は朧を常の姿かな」正岡子規
「佐保姫を恋に都の染め物や」正岡子規

竜田山の神霊で秋の女神の竜田姫とは、対とされる女神です。
竜田姫は裁縫や染め物を得意とする女神であり、佐保姫は霞の衣を織り、柳の糸を染め花を咲かせると言われ、古来より信仰されて来ました。
その絶景で名高い竜田山の紅葉は、竜田姫が赤く染め、佐保山を取り巻く薄衣のような春霞は、佐保姫が織り出すものと和歌に詠(うた)われています(日本の四季を司る女神様については、明日に続けます)

遥か遠くに、ほのかに霞んで見える山々は、何とも言えない情緒に溢れ、穏やかで、長閑(のどか)な、何より春らしい風景と言えましょう。
遠方にぼんやりとたなびく「霞」に対して、近くで深く立ち込める「霧」。
どちらも同じような物理現象ですが、「霞」は春の季語、「霧」は秋の季語で、また、昼間は「霞」、夜は「朧」と言い、本当に日本語の繊細な美しい表現を、大切に後世に伝えたいと思わずにはいられません

「春霞」が詠まれた和歌は数多くあり、
~春霞 たなびきにけり 久方の 月の桂も 花や咲くらむ~ 紀貫之
~春霞 たなびく山の隔(へな)れれば 妹(いも)には逢はずて 月そ経(へ)にける~ 大伴家持
~春霞 流るるなへに 青柳の 枝くひ持ちて 鶯鳴くも~ 作者不明
~佐保山の糸染め掛くる青柳を 吹きな乱りそ 春の山風~ 平兼盛(詞花集)
~佐保姫の霞の衣ぬきをうすみ花の錦をたちやかさねむ~ 後鳥羽院(後鳥羽院御集)



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今日は、2、2、3の語呂合わせから「富士山の日」でもあるそうです。
日本人の誰もが愛する「富士山」。
私達の心の拠りどころであると言っても過言ではないかと思います

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by hoenryu | 2021-02-23 09:00 | 富士山 | Comments(0)