今日、3月12日は、奈良の東大寺二月堂お水取りの日。
3月6日ブログにて、「修二会」の詳細を記載しておりますが、春の訪れを告げる東大寺の年中行事の一つです。
12日の夜、鐘の合図とともに、籠松明(かごたいまつ)が本堂の回廊を駆け抜け、その火の粉を身体に浴びると、除災になると言われています
謂れは、若狭の国の遠敷(おにう)明神という神が、二月堂のほとりに清水を湧き出させ、ご本尊の十一面観音菩薩様に奉ったという、「お水取り」に由来し、752年より始められたとされています。
12日の深夜に始まり、13日の午前1時半頃には、若狭井という井戸から「お香水(おこうずい・観音様にお供えする水)」を汲み上げる儀式があり、天下安穏などを祈ります。
行を始める際には、身を清めた練行衆(れんぎょうしゅう・修二会を行う11人の僧侶)が、お松明(たいまつ)をかざし、その後に一人の練行衆が続き、入堂された後に、そのお松明を舞台で振り回し、堂内を巡り歩きます(達陀・だったんという行法)。
この練行僧がお松明を持って走る姿は、奈良の風物詩となっています。
お松明の火の粉を浴びると健康に、幸せになると信じられており、その燃えかすを護符(ごふ・お守り)の代わりにする信者も多いそうです。
お松明は期間中(3月1日から3月14日)、毎日行われますが、
12日の今日は、特に大きな「籠松明」と言われる長さ8メートル、重さ約70キロの大きな松明が使われるそうです(通常は7メートル、約40キロ)。
籠松明として使われる真竹を二月堂まで届ける事を「竹送り」と言い、奈良市内や京田辺市などから寄進されています。
二週間の修二会が終わると、東大寺には本格的な春が訪れます。
修二会は、東大寺二月堂の「お水取り」が大規模で有名ですが、他にも、薬師寺、法隆寺西円堂、長谷寺などでも行われています
写真は、「糊こぼし椿」
東大寺の椿は、紅色の花びらに、糊をこぼしたような白い模様があることから、「のりこぼし」と名付けられた椿で、
椿の咲く庭は非公開だそうですが、奈良の三名椿の一つです。
お水取りの期間には、椿を模した季節の生和菓子が販売されますが、これは老舗の鶴屋徳満が初めて考案したとされています。
修二会の練行衆が、花ごしらえの日に作った造花の椿が、二月堂本尊の十一面観音菩薩様に捧げられ、祭壇に飾られる事から作られるようになったそうです
今日の誕生花は、「エニシダ(金雀枝)」
箒の材料に利用され、魔女の箒にも使われたと伝えられている「エニシダ」は、フリージアに似た甘い香りを放ち、蝶々のような黄色の花を沢山咲かせます。
黄色の他に、オレンジや白色もあり、江戸時代にヨーロッパや北アフリカから中国を経由して日本に伝わったとされています。
マメ科の低木で、有毒成分を含むので注意が必要です
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