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方円流・東京東支部のお茶会・お稽古情報/お稽古場は明治神宮外苑絵画館学園・自由が丘支部長宅・広尾・鎌倉/問合せはhoenryu.east.tokyo@gmail.com まで


by hoenryu

7月19日 「北壁の日」・「白雲抱幽石」

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今日から夏の土用に入りました。
1967年(昭和42年)7月19日は、東京女子医大山岳部の今井通子さんと、若山美子さんの二人が、マッターホルンの北壁からの登頂に成功した日だそうです。
女性だけで北壁登攀(とうはん)は、世界初との事で、険しい岩壁を登るのは、どれだけ大変だった事でしょう

昨日は一段と暑くなり、青空に白雲が立ち込め、まさに岩を抱いているかのようでした。
今日の禅語は、「白雲抱幽石(はくうん ゆうせきを いだく)」

南朝宋の文学者・謝霊運(しゃれいうん・385~433年)の詩に出てくる言葉で、
白雲抱幽石(白雲幽石をいだき)、
緑篠媚清漣(りょくじょうは、せいれんに こぶ)
(白雲(入道雲)が幽寂の奥深い物静かな岩を抱き、篠竹が渚で枝を垂らして、人に媚びるように水に浸かっている)

寒山はこれを引用し、『寒山詩』では、
庭際何所有(ていさいに 何の有る所ぞ)
白雲抱幽石(白雲幽石をいだく)
(自然の中にいて庭といえるのであれば、見えるのは、そそり立つ岩を抱いているような、白い雲の奥深い静かな景色である)との意味だそうで、
人里離れた深山幽谷に居を構え、ひとり悠然と詫びた景色を楽しむ様子を表している言葉です。
禅語として解釈すれば、「世俗を離れ、欲や邪念とは無縁に生きる様」を表しているそうで、
この時期の茶席に大変好まれる句と言えましょう

禅語は、このような大自然の情景を通して、私達に考え方、生き方を教え、気づかせ、導いてくれます。
写真は、お稽古場へ向かって歩いている際に、晴れ渡った空と白雲の美しさに目を引かれ、撮影した昨日の東京・自由が丘からの空模様です。
急いでおりましたが、一瞬、立ち止まって空を眺めずにはいられない程の、映え渡る青さでした。
とても美しい空を、今日も変わらずに、白い雲が悠々と浮かび、それを私は、無事に眺めている。
この事だけで、本当にありがたいのだと感謝を覚えました。
禅語の教えの素晴らしさを実感致します


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「秋海棠」が育ち盛りとなり、これから暫くの間、次々に咲いてくれそうです。
「秋海棠」は、冬になると姿を消していまい、その存在を忘れがちになりますが、また夏が来れば、必ず元気な姿を見せてくれますし、挿し木にしてもよく根付きますので、「白雲抱幽石」とともに、この時期の花として愛用しております


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by hoenryu | 2021-07-19 09:00 | | Comments(0)