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by hoenryu

8月17日 「パイナップルの日」・「松風一曲清音来」「閑座聴松風」

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今日は、8月17日の語呂合わせから、「パイナップルの日」。
パイナップルは、ブラジル原産とされ、大航海時代にコロンブスによって発見されたそうです。
日本へは、江戸末期に伝来し、松笠(パイン)のような形と、リンゴ(アップル)のような甘い風味が名前の由来とされています。
大変、栄養豊富な果物の筆頭と言えましょう。

今日の禅語は、「松風一曲清音来」
(まつかぜ いっきょく せいおんをきたす)。
本当に、美しい禅語ではないでしょうか。
松風が清らかな琴のような音を運んでくれるという意味で、
いかにも自然を尊ぶ禅語らしい句で、あたかも、澄んだ琴の音が耳に聞こえてくるようです。
また、「閑座聴松風」(かんざして まつかぜをきく)を、今、お稽古場の立礼席に掛けています。
「心閑か(しずか)に座り、無心にただ松風の音を聴く」ということを表していますが、さらに、心閑かにいることで、普段、意識しないような音も耳に入ってくるという意味もあります。
煎茶道・茶道では、「松風」は、お湯の煮える音を言います。
静かな茶室で聞こえる「松風」は、心の塵を払ってくれるような気が致します。
新型ウィルスの事で心が落ち着かない日々を、せめてお茶を淹れる時だけでも、心閑かに気持ちを集中して、美味しいお茶を淹れて欲しいとの願いから掛けました。
本来、松風は松林に打ちつける風のことで、日本の古典文芸においては、うら(浦)寂しい海岸の情景を表すものとして、用いられました。
また、和歌では、「待つ」の掛詞として、多く詠まれています。


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「松風」は、能楽作品の一つでもあり、室町時代に観阿弥のオリジナルを世阿弥が改修したと考えられています。
須磨に流された貴公子と海人との親交を記した『撰集抄』・『源氏物語』の説話、及び、『古今和歌集』の在原行平の歌を元にした秋の曲です。

写真上は、黄檗山萬福寺56代管長・禅梁の筆の茶旗で、茶席を設けている目印に、茶室の軒先などに掛けるものです。
(6月14日ブログに、もう片面を載せております)
写真下は、能面の「小面」と「山姥」で、桃山時代17世紀頃の是閑吉満の作品で、現在、サントリー美術館に展示されています


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by hoenryu | 2021-08-17 09:00 | 松風一曲清音来 | Comments(0)