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方円流・東京東支部のお茶会・お稽古情報/お稽古場は明治神宮外苑絵画館学園・自由が丘支部長宅・広尾・鎌倉/問合せはhoenryu.east.tokyo@gmail.com まで


by hoenryu
2月28日  織部の日・「結界」とは_b0255824_20173879.jpg

 1599年の2月28日、織部流茶道の祖であり、安土桃山・江戸時代初期の大名である古田織部が、京都の伏見で茶会を催したことにちなんで制定された、今日は「織部の日」。
この時の茶会で、織部は自分で焼いた茶器を用いて、お客様をもてなしたとされています。
織部が手がけた茶器は珍しく、斬新なもので、後に「織部焼」として、広く愛されるようになった事は言うまでも有りません。
この伏見でのお茶会がどのようなものだったのか、と思いめぐらしてしまいます。
 利休七哲の一人で、織田信長、豊臣秀吉に仕え、利休亡き後は諸大名の茶頭を務めた織部のこと、さぞかしや趣のある茶会だった事でしょう。


2月28日  織部の日・「結界」とは_b0255824_20182988.jpg

 一昨日の絵画館「煎茶道体験」に来て下さったお客様から、「結界」についてご質問を頂きました。
ほうじ茶の手前座には、一般的な竹の「結界」を置きましたが、煎茶の手前座は同じような物を用いると単調になってしまうと思い、結界の代わりとしてお扇子を立てました。

 「結界」とは、元々は仏教用語で、文字通り、結ばれた 界という事で、浄域の線引きを意味する言葉です。
聖なる領域と俗なる領域を分け、秩序を維持するために区域を限ることでした。
神道においては、神社や寺などの境内に意図的に段差を設けたり、日本建築では襖、障子、衝立、縁側などの仕掛けをしたりするのも、広い意味で「結界」という意味合いのようです。
煎茶道では、茶室と水屋の仕切りに暖簾(のれん)を掛けますが、これにより、茶席と水屋という、浄不浄の領域を分けているのです。
また、煎茶道や茶道においての「結界」は、お客様に対して、一段へりくだって、謙虚な気持ちを示していると言えましょう。

 お扇子で挨拶するのも同様で、扇子を前に置いてお辞儀をすることで、敬意を払うべき相手や、大切なお道具との間に境界線を引いて『結界』を作り、一歩へりくだって挨拶をしていると言えましょう。
扇子を置いての挨拶は 「あなた様」と「私」との間に神聖な境界を設ける、という意味なのです。

 絵画館で「結界」の代わりに飾った扇子は、黄檗山萬福寺管長であった玉田老師の「萬年寿」でした。
写真は一般的な「結界」で「無事是貴人」と書かれたもので、一番上の写真は、やはり以前に、「結界」の変わりに用いた事のある唐物の「硯屏」です。


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# by hoenryu | 2024-02-28 07:00 | 煎茶道 | Comments(0)
2月27日  北極クマの日・絵画館「煎茶道体験を終えて」_b0255824_20155000.jpg

  今日は動物保護団体が制定した「北極グマの日」。
絶滅の危機に加え、地球温暖化のため、北極圏の海氷は年々小さくなり、そこに暮らしている北極グマも棲み家や餌を失いつつあるそうです。二酸化炭素の排出量を減らすなど地球規模での活動を呼びかける国際デーです。

 昨年7月から開催しておりました「煎茶道体験」を、昨日、無事に終えました。
毎回、沢山のお客様に来て頂き、煎茶道を体験して頂けた事を、何より嬉しく思っております。
ご参加下さったお客様に御礼申し上げますと共に、
ご期待に添えなかった事、数々の不手際が有りました事、何かと至らない所ばかりでした事を、深くお詫び申し上げます。

 7月〜9月までは冷たい玉露と煎茶を、10月〜12月までは紅茶と煎茶を、そして新年は大福茶(ほうじ茶)と煎茶を召し上がって頂きました。
煎茶道の一番の楽しさは、季節に応じて移り変わる色々なお茶を、四季を感じる室礼で楽しめる事だと考えております。

 私どもにとりましては、大変貴重な経験となり、今後の課題も教えられ、多くの収穫を頂きました。
来月からは、また通常の稽古に戻り、社中みなで精進し、より一層美味しいお茶を淹れられるよう励んで参ります。

 絵画館での煎茶道体験は終了致しましたが、新茶の産地別の味比べや、夏の冷たい玉露を、是非、体験して頂けましたら本望でございます。
(写真は、昨日の煎茶道体験でお出ししたお菓子で、自由が丘「蜂の家」さん製の可愛らしいお雛様です)


2月27日  北極クマの日・絵画館「煎茶道体験を終えて」_b0255824_20163218.jpg

 今後のご案内を申し上げます。
●3月16日 人形町「濱田家」和菓子作り体験呈茶
●3月23日 芝公園・増上寺「春の茶会」(着物のやまと主催)
●5月11日 上野「東京国立博物館茶会」 京友禅と、新茶三種の味比べ(家庭画報セブンアカデミー主催)
●7月31日 日本橋三越「煎茶道 夏の和体験」(三越カルチャー主催)
●8月17日 目黒「蟠龍寺ゆかた茶会」ご住職のお話と抹茶・冷玉露

 お茶会でお目にかかれますのを、心待ちにしております。
今後とも、どうぞ宜しくお願い致します


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# by hoenryu | 2024-02-27 07:00 | 煎茶道 | Comments(0)
2月26日 咸臨丸の日・江戸押絵・絵画館煎茶道体験_b0255824_19322695.jpg

 1860年の今日は、幕府が派遣した使節団が咸臨丸(かんりんまる)に乗船し、勝海舟を船長として太平洋横断航海を終え、サンフランシスコに到着した日。

 昨年夏から開催しておりました、明治神宮外苑・絵画館での「煎茶道体験」は、今日が最後の日となりました。
来月からは、また絵画館での稽古に専念したいと思います。
 今日は、床の間の室礼の一つとして、押絵のお雛様を飾る事を考えております。
勝海舟の頃の、江戸時代の終わりのものです。

「江戸押絵(えどおしえ)」とは、江戸時代後期より、日本橋から浅草周辺で作られていた工芸品で、現在でもその近辺や近県で制作されています。
「押絵」とは、厚紙等の台紙に布を貼ったり、布に綿をくるんで厚みを持たせた部品を組み合わせたりして、立体的な絵のように仕立てたものです。
その中でも「江戸押絵」は、絹織物や綿織物を使った部品に、日本画の技法を用いて上絵や面相を描き、浮世絵の絵柄を表現しているのが特徴とされています。
現代の江戸押絵は、主に羽子板、額装、屏風や団扇の装飾などに使われ、その美しさは広く愛されています。

 江戸時代は町人文化が栄えた時代で、江戸押絵もそれと共に発達したと考えられています。
それまでの羽子板は、宝船、七福神や松竹梅などが主流でしたが、歌舞伎が発展した元禄時代(1688~1704年)には、歌舞伎役者の絵が描かれるようになり、文化・文政時代(1804~30年)に至ると、歌舞伎役者の似顔絵を押絵で作った役者羽子板が登場し、人気となりました。
歌舞伎人気の上昇と共に、押絵の技術もさらに進化し、「江戸押絵」は非常に根強い人気を博したようです。
江戸時代は私にとって、とても興味深い時代で、江戸の町に暮らしてみたかったと思います。
さぞかしや、町人文化は賑やかで、活気に溢れていたのでしょう。
 もう一つの室礼は、平安時代の宮中の調度品を江戸時代になって再現した「有職(ゆうそく)小物」です。


2月26日 咸臨丸の日・江戸押絵・絵画館煎茶道体験_b0255824_19463161.jpg

 私の大好きな日本文化と、美味しいお茶を、ほんの一端ですが、お客様に楽しんで頂けたら嬉しく思います。
今日のお菓子は大変可愛らしいので、きっとお客様が笑顔を見せて下さる事でしょう。

 「ホトケノザ」が一面に広がりました。
日本の雑草かと思いましたら、ヨーロッパや北アフリカなど世界各国にも広く分布しているそうで、七草の中の「ホトケノザ」とは別の草です。


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# by hoenryu | 2024-02-26 07:00 | 煎茶道 | Comments(0)
2月25日  夕刊紙創刊の日・見えない幸せ・最高級玉露_b0255824_20402226.jpg

 1969(昭和44)年の今日、日本初の駅売り専門の夕刊紙が創刊しました。
 昨今では、携帯でニュースを読む方が多いのではないでしょうか。
駅で売られている手軽さに加え、政治、経済だけでなく幅広い内容のようですので、「夕刊紙」には固定ファンもいらっしゃるのでしょう。

 私は視力が悪く、遠くも見えないのですが、最近はとみに細かい字を読むのも辛くなって来て、新聞を読む度に目の老化を感じる毎日です。 
先日は、目の上を怪我した所の青アザが目立つので、少しでも隠せればと、以前から近眼と乱視矯正の為に作ってあった眼鏡をかけてみました。
今まで使わないままにしていた眼鏡ですが、かけてみたら一気に世界が明るくなり、よく見える事この上ないのです。
充分に見える事は、とても嬉しい事ですが、反対に、部屋の隅々の汚れや、自分の顔のシワの多さ等、見えなくて良いものまで、ハッキリと見え過ぎてしまい唖然と致しました。
「見えない幸せ」も有るのだと、つくづく教えられました。
今までよく見えていなかったから、救われていた事もあるのでしょう。
この歳になったら、「よく見えないからこその穏やかな生活」が有るのだと気づきました。
年齢とともに、色々な事が劣って来る事を受け入れて、逆らわずに満足して生きる事が幸せかも知れないと、まさに禅の境地になりました。

 昨日のお稽古では、宇治の玉露を飲み比べました。
一つのお茶は超最高級玉露で、茶舗の推奨温度は40度、もう一つのお茶は、異なる茶舗の最高級玉露で、推奨は60度位でと、袋に書かれていました。
大変高価な方のお茶は玉露の旨味がとても強く、逆に甘すぎると感じる程で、、、
次のランクの最高級玉露は、少し旨味は減りますが、その分、温度を高く淹れられますので、お客様の元へお出しする時に冷めてしまわずに済みそうです。
さて、お客様のお好みはどちらかしらと、考え込んでしまいました。
旨味の強さか、程々の旨味と温かさか。
皆様それぞれにお好みも異なりましょう。
次のお稽古で、社中の意見を取りまとめて決める事にしましょうか。
お茶の奥深さに、また一層悩む日々が続きそうです。


2月25日  夕刊紙創刊の日・見えない幸せ・最高級玉露_b0255824_20390145.jpg

 写真は、神奈川県松田地区の河津桜で、詳細はアメーバブログ(方円流東京東支部)に載せております。


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# by hoenryu | 2024-02-25 07:00 | 煎茶道 | Comments(0)
2月24日  霞始靆という日・「佐保姫」_b0255824_20102685.jpg

今日から七十二候の第5番目の「霞始靆(かすみ はじめてたなびく)」という候に入りました。
春になると、大気中に水滴や細かな塵が増え、また、霧や靄(もや)が出て、遠くの山々や景色がぼやけて見えることがあります。
また、煙や雲が空の上に上がらず、たなびいているように見えることが有ります。
古くから、このような現象を「霞」と言われて来ました。
「靆(たなびく)」も、古くから使われていた漢字で、霞が層をなして横引きに漂う様子をいいます。
現在では「棚引く」と書くのが一般的のようです。
「霞」は春に使われる言葉で、春以外の季節では、「霧」や「靄(もや)」と呼ばれます。
また、「たなびく」とは霞に使われる言葉で、霧は「立ちこめる」とか「かかる」などと表現されます。
 
 「霞」は水蒸気をたっぷり含んだ空気で、景色がかすんで見えるという事では、秋の「霧」と同様ですが、春の暖かさと一斉に咲き誇る花々のお陰か、穏やかで優しい感じが致します。
秋の霧とは、何か異なる趣を覚えるのは私だけでしょうか。


2月24日  霞始靆という日・「佐保姫」_b0255824_20104216.jpg

 春を司る女神と言えば、「佐保姫(さほひめ)」でしょう。
あらゆる木々の芽が萌え出ずる頃、山全体がふんわりとして見えることから、「山は春の女神のまとう衣」、「山にかかる三日月は女神の簪(かんざし)」、そして「霞は女神の衣の裾」と、たとえられました。
そのため「霞の衣」は、春の季語になっています。

中国の陰陽五行説では、春が東の方角を指すことから、「佐保姫」は奈良の東にあたる佐保山がその名の由来だそうです。
山々のどこにでも春の女神が宿っているという事で、私達は春の景色に特別な感動を覚えるのでしょうか。

 写真は、先日、羽田⇔伊丹を往復した時の、朝の空から見た富士山と、帰りの夕焼けです。
 

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# by hoenryu | 2024-02-24 07:00 | 七十二候 | Comments(0)